高鴨神社に程近く、少し斜面を登ったところ、
(歩くとだいぶかかるかもしれません。車で行きました。)
高天彦神社(たかまひこじんじゃ)にも行って参りました。
高鴨神社の鈴鹿宮司がここの宮司もしておられ、普段は無人かと思われます。
高天彦の名で想像する通り、その場所は高天原(たかまがはら)であるとされており
高天彦神社の主祭神は高御産巣日神(たかみむすびのかみ)
万物生成の元になっている非常に抽象性の高い神様で、
神の中の神、普通の神と分ける為に別天津神(ことあまつかみ)と呼ばれる中心に位置する五柱の神のうちの一柱です。
先日、東京ギャラリー川船での個展で展開した作品群「神話の風景」の
一番ベースになっている「天地開闢(てんちかいびゃく)」に深く関わっている神様。
まさに天地開闢のその地に行ってきたのです。
新嘗祭の翌朝、鈴鹿宮司のお宅近く、葛城の地を一望する山の斜面で
宮司と二人、朝日の中あぜ道を散歩をしながらいろんな話を聞かせて頂きました。
その中で特に印象深かった、フランスの博物館の学芸員の方の話で
「世界中の文化は西側に山の斜面を背負い、朝日を迎えるようにして発祥しています。
それ以外はありえない。」というものがありました。
以前、諏訪の御劔神社の宮坂宮司にミシャグジ様の史跡を案内して頂いた時の言葉とまったく一緒でした。
人が意識を獲得し、社会生活を始め、信仰を持ち文化を創る。
僕の想像していた「はじまり」の根幹に、その原初の人達がみた風景に、
今自分が立っているのだと思うと、
そして、今自分の制作テーマの核になる部分に触れているのだと思うと
身震いする思いでした。
まだ、僕の中できちんと整理できてはいませんが
この旅での体験がこれからの制作に大きく関わっていくのだろうと思います。
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