呪術
昔、美術は呪術でした。
美術というカテゴリーが確立するずっと以前のことです。
アルタミラやラスコーの洞窟壁画、アフリカやニューギニアの仮面、
北アメリカのトーテンポール、ナスカの地上絵、モアイ像、マヤの黄金装身具
日本でも古墳の中に壁画が見つかっています。
それらを作ろうとする強い意志の背景にあるものは
大いなる力に対しての畏敬、願望、想いではないかと思うのです。
同じように、医学など現在の科学のかなりの部分は呪術でした。
思念は物に宿り、人に宿り、治め、癒し、
そうやって人は生きてきたのではないかと思うのです。
私は、物を作るという根源を模索し、今、呪術という概念をたどり、
そしてその呪術という概念を模索しています。