2013年
12月
20日
金
あらららら。またもや告知が遅れてしまった(涙)
もう既に恒例となってしまいました。イヴの茶会
毎回声をかけて頂いて本当に感謝しています。
現代作家の作品のみでしつらえられた空間、道具で企画された茶会です。
場所は金沢、中村記念美術館 別館、旧中村邸。
茶会は22日・・・って明後日じゃん。うひゃー、あせるなあ。
今年は蓋置で参加させて頂く事となりました。
昨年に引き続き、今回もお運びさんでも参加させて頂きます。
今年頭に今年は着物をたくさん着る年にすると宣言したら
結構着る機会がありました。これが〆になるでしょうか?
ご縁があって緑色の着物を手に入れたのでそれを着ようかなと
ほくそ笑んでおります。
ここではいつも今まで作った事のないものを作るので
作るということでも大変楽しませてもらっているのです。
ドキドキするなあ。
作品展は金沢、香林坊大和6階アートサロンにて。
25日から30日まで。
会場にはおりません。そのころ日本橋三越で接客してます。
なんか、不思議だなあ。
2013年
12月
06日
金
僕の印象でいうと一番元気なデパートが新宿伊勢丹、
一番格の高いデパートが日本橋三越という感じなのですが
そのどちらとも同時期に展示できるという
なんだかありがたすぎてひっくり返るような状況です。
夏に「月光彼方」と題した展示をさせて頂いた
青山のギャラリー白白庵(ぱくぱくあん)のギャラリスト、
石橋さんプロデュースの企画にお誘い頂きました。
「禅(zen)&艶(en)」
今までの常識を変える元気でユニークな正月の迎え方。
石橋さんならではの視点でチョイスされた作家、しつらえ。
どうぞ足を運んで頂き、その世界観を共有してください。
僕も今回はじめて交流させて頂く作り手の皆さんです。
どんな化学反応が起こるか、僕も大変楽しみにしています。
年末、在廊します。
12月28日より31日まで会場におりますよ。
里帰りする予定のない方、
掃除も年賀状もはやばや済ませて時間を持て余してらっしゃる方
いないか。
いやいや、わざわざ時間を作って来てくださいな。
お待ちしております。
「禅&艶」
日本橋三越本店 本館5階
リビングステージ
12月18日〜31日
2013年
12月
06日
金
ん?今年は一個多いかな?伊勢丹の展示。
ありがたいことですなあ。
12月11日〜17日の期間で
新宿伊勢丹5階、グローバルダイニングにて
「祝いの食卓」と題した催事が行われ、出品いたします。
主に酒器ですね。正月の席でお使い頂けたらと思います。
(下であんな記事を書いておいてまったく申し訳ないです(汗))
今回僕の在廊予定ございませんが、伊勢丹にお立ち寄りの際は
覗いて頂けたらと思います。
よろしくお願いいたします。
2013年
12月
04日
水
「手のひらサイズのカワイイ工芸」特集。
なんつてあんまし可愛くないものを作ってしまったような・・・。
今月号の月刊美術、44ページに載っておりますよ。
なんと売り出しもしているとか・・。
ふるってご応募ください(笑)
月刊美術に載るのはこれで2回目・・・
あ。ちがった。前は「美術の窓」だった。2004年4月号「新人大図鑑」
その時より写真が大きい。出世!(笑)
これ、作ってみて思ったけど
かなり使い勝手良さそう。
表面積大きいから燗のつかりが早いだろうし、
どんな角度でも立つし。
あんまし用途と関係ない?あ、そう。
これから用途一辺倒じゃなくておもしろ変なものも作っていきますよ。きっと。
行き過ぎたら「おい!」って言ってね。
たぶん反省しないだろうけど・・・。
アルミの作品でも触手ってのがあります。
蠢いてる質感とか、イメージ、好きです。
わたしにとっての偉大なる恩師、宮田宏平先生の姪っ子と同じページなんて
なんだかステキだなあ。
2013年
12月
02日
月
モスコミュールというカクテルをご存知でしか?
リンク貼っておいてありましが、ウィキってみるとウオッカにライムジュースを合わせジンジャーエールで割ったもの。
なんでも「モスクワのラバ」なんつー意味で、ラバに蹴られたように効いてくるってな意味とか。
カクテル自体あまり飲むことはないでしが、
今夏に木工作家の友人に連れて行ってもらったしまんりょ小路にあるバー、
「モスコミュールカップ作ってよ」
なんて言われて改めて調べたりしてみたのでし。
モスコミュールそのものも自分から頼んだ覚えもあまりないでしが、
そのうえモスコミュールカップなんて言われても「?????」な感じ。
もともと銅製のマグで飲むものだとか。
例によって手探りでいろいろ調べ、カタチを検討し、
いろんな仕事が重なってのびのびになっておりましたが、
先日ようやく作成にいたりました。
どうやら気に入って頂けたようでめでたく納品の運びとなりまして、
早速自作のモスコミュールカップでプロのつくるモスコミュールを
いただいて参りました。
きりっと爽やか!おいし〜いカクテルでしたなぁ。
皆様もよろしかったら長野のしまんりょ小路、コジロジオットサンで
「モスコミュール、角居のカップで!」っていって
飲んでみてくださいな。
そうそう、ここは自家製の薫製肉が抜群でし。
ベーコン、ハム、生ハム、ジャーキーなど他ではなかなか食べられない味。
ご一緒にどうぞ。
2013年
11月
14日
木
はいはーい。
僕の生まれ育った街、金沢で展示ですよー。
金沢の皆さん、おまたせいたしましたー!
ごめんなさーーい。昨日から始まってましたー!
え?・・・・待ってない?
んなこといわずに、ウソでもいいから
「やっと来てくれるんだね!待ってたよ!!」
とか言ってちょーだいよー!
ぬか喜びしちゃうからー!
ってなわけで、毎年声をかけてくれる名鉄エムザ5F “クラフトA”にて
展示です。
金沢のお客様とはなかなかお話しする機会もないので
今回は一週間お店でアテンドいたします。
ん?アテンドって何?って?
ほらほら、なんつったっけ?あの舌かみそうな名前の会社の
そう、プロクター・アンド・ギャンブルサンホームの。
あれ?会社名プロクター・アンド・ギャンブルにかわってたのね。
あれれ?おまけにアテンドの商標大王製紙に売っちゃったのね?
まいいや、そこの・・ほら・・大人用の・・ほれ・・・
多い時も安心的な・・・いやそれはちがうけど。
あららら?あれはアテント?濁点つかないのね。
すんません、こんなに字数使って結局説明できずじまい(泣)
よーするに、16日(土)から一週間、22日(金)まで
お店で接客してます。
物珍しさに珍種の生物見に来るぐらいの勢いで
あそびにきておくんなまし!!
展示期間は12月3日までのロングラン。
僕をみて生態を観察した後、
ゆっくり作品を見に来るのも可!
よろすく!!!
2013年
11月
11日
月
10月31日付けの記事「空に井戸を掘る 富山」にてお伝えいたしましたが、
日程通り、11月6〜10日(片付け含む)富山のとある山の頂上に
制作して参りましたので、ご報告いたします。
6日朝、現地入りし、まずは制作の準備。
2.5トンというアルミの量に圧倒されながらも、
溶解炉の制作と、型の制作を二手に分かれてすすめていきます。
アルミは融点700度程度、一旦溶解してしまえば粘度は低く、
水蒸気爆発など起こしやすいとも言われています。
今までの経験から危険と思われる箇所に気をつけながら準備を進めていきました。
型を焼く為、夜通し火を扱っている関係からこの日は現場に泊まり。
この場所は360度見晴らしの効く山の頂上。
夜中、強烈な風、遮るものがないのでテントが飛んでいくかの勢い。
7日、鋳造当日、今日1トンのアルミを融かします。天気予報は晴れ一時雨
降りませんように!もし降っても通り雨程度で済みますよう・・・・
願いむなしく途中から嵐。横殴りの雨、身体ごと持って行かれそうな風。
型の上にテントを張り、考えつくあらゆる手を尽くし、火のケアを怠らないように!
寒さで体力も奪われるので、制作スタッフの体調も把握しておく事!
実際制作が終わってみて振り返ると
この時点の精神的な疲れが一番大きかったかもしれません。
以前、北海道での制作の時も雨にやられています。
鯉江さんに「どうしますか?」と聞いた時の返事が忘れられません。
「大丈夫、鯉江は雨には負けません!」でした(笑)
今回、「嵐にも負けません」が加わりましたね。良二さん!
もちろん、嵐の最中の写真などありませんよ。余裕一切無し!!!
鋳造の様子はこんなでした。
風の為かなかなか炉温が上がらず、溶解に予想外の時間がかかる。
明るいうちにある程度目処が付けれればと思っておりましたが、
結局8時過ぎまでかかってしまいました。
いや、そのくらいでできてよかった〜!
っていうか、最後まで鋳造続けられてよかった〜!
運を天に任すような仕事の仕方はイケませんけれども、
運をねじ伏せるような迫力が必要な場合もあるのです。
8日、建て込み。クレーンで吊っている時、強風が吹きませんように!
大バール(僕はてこ棒って呼んでましたが長野近辺の言葉なんすかね?)
ですこしづつ持ち上げ、角材をかませて裏返していきます。
3方にワイヤーをかけ、クレーンでつり上げる。
まわりには馬鹿話で応えていたものの自分自身はテンションぴりぴりで
もちろん写真なんて撮っておりません。
立ち上がった様子がこちら。
スケールがわかりやすいように人が入ったものを。
9日、2回目の鋳造日。期間中この日だけが気持ちよく晴れでした。
前日立ち上げたあとの溝にもう一度アルミを流して作品完成。
炉温も上がりやすく、すいすい作業が進んでいきます。
途中から鋳造は良二さんの実の息子、アキラ(僕のギリの弟(笑))にまかせ、
僕は作品タイトル彫りと参加者名を作品に刻印する作業へ。
違う作業をするとはいえ、事故が起こらないように背後にも五感を働かせて。
これだけ大きなプロジェクトですので参加してくれるスタッフの数も多く、
意外に刻印打ちが大変・・。
映画のエンドロールのようでカッコいいんですよこれが。
作品がしまります。
作品名はタガネで彫っていきます。
ゴメン、ちょっとピンぼけ。
タイトル「空に井戸を掘る ーと 山の風ー」
ロマンチストだなあ、良二さん。
鯉江さんのサイン。わかりにくいね。
参加スタッフの名前
メイン制作者の名前、アキラと僕、良二さん。
10日、片付け。またもや嵐。
等々テントが壊れた。支え骨がグニャリ。
でも大丈夫。ちゃんと作品は立ってる!12メートル!
よし!
最後に・・・
僕自身作家でもありますが、
こういう大きな仕事をいただけるまでにはまだ至っていません。
まず、この仕事を僕にやらせてくれた鯉江良二さんに深い感謝と愛を。
全面的にサポートしてくれた陶芸家、鯉江明氏、
学校でのカリキュラムもあった事でしょうが、それを押して参加してくれた
富山ガラス造形研究所、指揮を録ってくれた本郷仁先生、
興味を持って参加してくれた学生達
金沢から、高山から、瀬戸から一線で活躍している作家、
それから美術を志す学生にも協力いただきました。
ありがとうございます。
まったく全面的に信頼してくれ、最後までスムーズに仕事を
コーディネイトしてくれたギャラリーNOW
富山剛さん、和光の柳原さん、
コーディネイト側でもあり、実制作にもフルに協力してくれた
楽翠亭美術館、コーディネーター山本珠希さん
おかげで滞りなく進められました。ありがとうございます。
嵐の中、ずっと記録を録ってくれたSKYPROの小笠原さんとスタッフの方
ありがとうございます。出来上がりが楽しみです。よろしくお願いします。
あたりまえですが・・・
作品を作るにはクライアントが居ます。
途方もない仕事を発注し、現実に制作にもサポートしてくださり、
忙しい中、毎日現場に顔を出してくれた
izakの社長、そして楽翠亭美術館館長、
石崎由則氏に深く深く感謝を。
2013年
11月
04日
月
おかげさまで東京京橋、ギャラリー川船での個展
「角居康宏展 ー神話の風景ー」が11月2日をもちまして終了いたしました。
足を運んでくださった皆様、情報を拡散してくださった皆様、
遠くて行かれないけれど気にしてくださった皆様、ありがとうございました。
おかげさまでたくさんの方に見て頂き、作品のいくつかも嫁入り先が決まり、
感謝の一言でございます。
僕の制作スタイルとして、やりたい事、手法やテーマが決まり、
それに即して制作をいたします。
形を作りだす過程の自問自答や、実際に展示して人と話している間に
そのテーマについての考察が深まり、次のステップに移れるという感じがしています。
今回のテーマ「神話の風景」については入口に立ったばかりで
掘り下げる事がまだまだありそうです。
これからも神話のイメージや古代のイメージを「新作」として
皆さんのお目にかけられるよう制作していこうと思います。
あなたの街にもお伺いするかもしれません。
今後ともよろしくお願いいたします。
2013年
10月
31日
木
以前、僕が大学を卒業してから
陶芸家:鯉江良二氏の仕事場にお世話になった事は書きました。
青春(3月27日)
鯉江さんは僕にとっていわば父親のような存在。
前出のページ「青春」でも書いた通り
あの仕事場ですごした事で、僕は今の制作の方法論を築く事が出来た。
鯉江さんの仕事場を離れてから2回、大きな仕事を携わらせて頂いた。
それが高さ10メートルのアルミニウムの塔「空に井戸を掘る」だ。
1998年8月沖縄県恩納村恩納村沖縄県民の森という大きな公園の中に一本、
2002年6月北海道石狩管内厚田村望来(現、石狩市厚田区望来)に一本。
(写真はすべて北海道のもの)
そして、今回富山の山の上にもう一本、さらに大きい高さ12メートルの塔を立てる。
富山西インターに程近く、360度見晴らしの聞く丘の上、
ひょっとすると朝日を浴びて光る塔が
新たに繋がる北陸新幹線から見えるかもしれないという
そんな場所に塔を制作するというプロジェクトが11月の6日(水)〜9日(土)の予定で
決行される事となった。
アルミの量にして約2トン半、
ずっと一日中鋳造し続ける工程が2日間というハードなプロジェクトで
今から身震いがする思いだ。
鯉江さんはこの夏ちょっと体調を崩されたのだが、
その復帰第一弾として僕が関わってこんな大きな仕事が出来る。
親孝行できたようでこれまた嬉しい。
場所は下記。
富山の廃棄物処理業者、アイザックオールの所有する山の上。
受付を通さないと上がって行けません。制作の見学を希望される方はご一報ください。
沖縄の制作では、沖縄独自のアルミの電柱の切れ端を材料に、
北海道の制作では、近くにあった授産施設で集めたアルミ缶を材料に、
そして今回はアイザックオールが回収した資源由来のインゴットを使用する。
「鯉江さんにしか出来ない作品」を「僕しか出来ない方法」で、
「この場所に由来する材料」を用いて制作する。
作り手冥利に尽きるというものである。
2013年
10月
16日
水
美術に対する僕のアプローチが変わってきているのをこのところ感じる。
ここ2年程鋳造での作品制作をやれず、
今回の個展は久々に新規制作を行った。
実際に制作しなかったからと言って制作に関わるコンセプトの積上げや
思考に対するアプローチは変わらないのであるが、
実際に制作してそこに自分の持つ言葉を当てはめていくと
なんだか自分が持つ美術に対する触感みたいものが変わってるんではないかと
今回すごく感じた。やはり僕は作る人間なのだなあ。
学生時代から美術というものに取り憑かれて、
現代美術というものに関わり、見てきた。
そして現代美術というものが西洋美術に端を発する以上
西洋美術のお作法に則っているんだと感じた。
つまり、「観察して描く」という事からはじまり、
「対象を認知し分析する」という態度だ。
そこには対象と自分との間に距離がある。
一方西洋以外の美術はどうなのだろうか。
西洋に影響される以前で考えなくてはならないのではあるが、
アフリカの仮面はどうか、アメリカインディアンのトーテンポールはどうか
アボリジニの絵画はどうか、そして日本の仏像はどうか・・・
それは作るという事自体が祈りとともに対象の中に中に入っていく行為である。
対象となるものがあまりに大きい存在のため
描く、作る、という行為が祈る、捧げることと同義になっている。
エリアとしてはヨーロッパを中心とする西洋文化より、
アジア、アフリカ、オセアニア、南北アメリカを統合した
これらの文化を持つエリアの方が広大なため、
こちらの方が人間が自然派生的に持つ文化感覚としては普遍性を持つのではないか?
いや、ヨーロッパもルネサンス以前、もしくは民衆の信仰態度を考えると
そうだったんじゃないか?とケルトやバスクのことがふと頭をよぎり、感じた。
最近そんな事を感じていたので名古屋で日本料理店、
出雲を営む博覧強記な友人、大谷重治氏に投げかけてみたところ
「それね、イエイツ・テーゼっていうんです。」と教えてくれた。
フランセス・イエイツが確立した「理性知」と「魔術知」の二元論。
僕は今「理性知」から「魔術知」への過程を体感しているのかもしれない。
また宿題をいただいた気分だ。
今朝も5時前からディープな会話で盛り上がってしまった。
ありがとう、頼りにしてます。シゲちゃん。